令和2年第2回定例会(6月16日)における自由民主党代表質疑

◯三十一番(菊地崇良)議長のお許しをいただきましたので、自由民主党を代表して質疑を行います。
我が国初の新型コロナウイルス感染症の患者が一月十六日に発表されてから、今日でちょうど五か月となります。その後、本県が対象地域から解除され、一月余りが過ぎました。
世界各国の犠牲者に深い哀悼の念を表します。その中で、我が国の人的被害は世界各国に比して抑制されており、本市においても二月二十九日に初の感染者が確認されたものの、罹患し、退院された六十五人全員の命が守れたことは幸いであります。
そして、この間また現在においても対策に当たっている医療従事者をはじめ、市民生活を維持するために御尽力いただく各分野の関係者の皆様に、改めて感謝を申し上げます。日々御協力いただきます市民の皆様への感謝と、コロナ禍によって様々な制約と困苦に耐えている方々の御心痛も察するものであります。
世界からの様々な御支援にも感謝を申し上げますが、感染症対策で成功を収め、WHOに加入すべき台湾から、四月のマスク二百万枚に続き、梅雨での災害を心配して、日華議員懇談会を通じ防護服五万枚が我が国に寄贈されましたことにも、感謝の念を表したいと思います。
我が会派は、市長への要望のほか、自由民主党県連、市連と連携し国に二度の緊急要望を提出し、去る五月二十五日には、自由民主党政令指定都市議員連絡協議会として、指定都市の実情に応じた地方創生臨時交付金についての緊急要望を菅官房長官に手渡したところであります。責任政党に連なる会派として、国民、市民の安寧と福祉向上のため、国への働きかけや市への施策提言などの協力を進んで果たしてまいる所存であります。
国外ではコロナ禍がいまだに猛威を振るい、国内でもいまだ感染者が発生しております。昨日、成田空港で検疫を受け本市に帰宅した五名の方の陽性が発表されました。油断すれば第二波につながる可能性が高いと言われますが、市長の情勢認識と我が国の対策等に関する所見をまず伺います。
また、感染症との闘いにおいて、現在をどのような時期と捉え、今後どのように対策と市政運営を進めていくおつもりなのか。時勢の変化を踏まえ、今年三月に示した令和二年度施政方針の見直しなども検討しているのか伺います。
成田空港での患者発生は仙台市の発生にはカウントされないものの、四月二十八日以降初めての本市居住者の罹患となりました。本件の概要と今後の対応についても伺います。
まず、仙台市新型コロナウイルス感染症緊急対策プランについて尋ねます。
コロナ禍へのこれまでの対応を踏まえ、今年度実施する取組の基本的方針をまとめた緊急対策プランが提示されました。事態対応に並行しながらの作業をねぎらうものであります。
本特性上、概要のみが記されていることに理解を示しますが、今後の分析のスタートとしての感が強く、さらなる教訓収集と検証が必要であります。特に、緊急事態は首長による総合的かつ迅速な意思決定が鍵となるため、その過程をしっかりと検証することは極めて重要であります。初めての事態であればこそ、失敗は教訓の宝庫であるとの意識は大事であり、必要とあればそのための協力を私たちも惜しみません。
なお、一例として、市立学校の始業式、入学式の延期に関する決定プロセスには、教育委員会と感染症に責任を有する設置者、首長との連携不足が感じられたことから、このことなどについても、リーダーシップを執る市長の下でしっかりと内部検証を進め、今後の対策の深化と共有を図ることを願うものであります。
今回のプランには、全ての局区による振り返りが記述されているわけではありません。対応の第一線となった保健所支所を抱える区役所や実際に感染者への医療提供の現場となった市立病院では、これまでの対応によって第二波以降に有用な様々な知見も得られたはずであります。感染者数も多く、軽症者療養施設を域内に開設された青葉区、及び感染者の医療に携わった市立病院について、現時点での所見と今後の考え方についてお示しください。
また、本プランで示された振り返りや課題を踏まえての市長の所見と今後の考え方を伺います。
なお、神戸市では、副市長をチームリーダーに第一次検証チームを設置し、国内発生期からこれまでの対応について時系列でデータ解析と評価を行い、Withコロナ対応戦略の策定によって次の備えを万全にするとのことであります。東日本大震災では、神戸市から阪神・淡路大震災での教訓と助言をいただいております。相互で検証結果を共有し、早急に次なる対策と防災環境都市・仙台の未来のまちづくりにつなげる準備を推進することを切に願うものでありますが、所見を伺います。
現在、本市では、新型コロナウイルス感染症対策調整担当局長等を配置し、新型コロナウイルス感染症に対する庁内の全体調整を所管させると認識しますが、危機管理室との業務の切り分けはどのようになっておりますか。また、現在の仙台市の対処態勢は、新型インフルエンザ等対応行動計画によるものなのか、その際、どのレベル、どのフェーズにあるのか、国や県との関係、庁内での整理が不明瞭な点はないか、併せて伺います。
一般会計補正予算第二号及び第三号等について尋ねてまいります。
今国会は明日閉会の見込みであり、国の第二次補正予算が成立する予定であります。今回の補正予算第三号はこれを見込んだものであり、第二号と合わせ約四十六億円の規模になりますが、国の補正予算にひもづいた項目が多くを占めております。これまでのコロナ禍対策費の総額をお示しください。そのうち、市の一般会計の割合はいかほどか伺います。また、今回の予算編成に当たり、市長はどのような指示を出したのか伺います。
次の波はいつ来るか分からず、必要な対策は急がなければなりません。国の予算ではカバーできない、今回市独自で急ぎ進めるべき対策はほかにはなかったのでしょうか、伺います。緊急対策プランに示す重点的な取組がこれらに該当するのではないかと考えますが、今回予算化していないものは、いつどのようなタイミングで施策化しようとお考えなのかも伺います。
本プランと併せ、今般のコロナ禍の影響を踏まえた単年度及び中期の市政運営及び財政措置の全体戦略が必要と思いますが、これらをどのように考えているのか伺います。
次に、減額、財源補正等についてお尋ねします。
二月の定例会、五月の臨時会などにおいて、新型インフルエンザ等対応行動計画や業務継続計画に基づく優先業務及び不急の業務の区分けによる行政事務の集中と効率化、そして財源確保についてたびたび訴えてまいりました。また、議会は、本定例会に、財政確保の一環と対策の加速を期して、議員報酬等の減額も提示させていただいております。
先日、地元紙には、本市の予算の大幅組替えを行い、九十億を捻出すると報道されました。しかし、当局による今回の当初予算の減額及び財源補正における事業見直し額は、一般会計ベースにおいて十五・一二億円、この報道の六分の一程度となっております。年度当初予算に対する歳出比で見ると、わずか〇・二七九四%であります。見直しに当たっては、地元経済の維持、振興のための計画的な公共事業等発注への十分な留意が必要でもありますが、併せて御見解を伺います。
なお、仙台市役所庁舎の建て替えと音楽ホールの建設は、このまま進めるのか、それとも延期、または思い切って中止するのかも伺います。
健康福祉、消防について関連して伺います。
我が会派は、感染症の拡大防止策として、医療や検査体制の崩壊防止を意識しつつも、PCR検査や発熱外来、また宿泊療養施設の準備等について求め続けてまいりました。当初に比べ、大分取組が進んできてはおりますが、過日の答弁では、さらにこれらを充実、拡大するとありました。第二波到来までの時間を次の準備への好機と捉え、着実にこれらを進めるべきであります。それぞれの進捗状況と今後の見通しについて伺います。
厚生労働省は、六月一日から、全国の感染状況の推計や感染拡大防止策の検討のため、東京、大阪、宮城の約一万人の抗体検査を行いました。本市には協力要請があったのでしょうか。また、何人が対象となったのか伺います。
本市でPCR検査を担当する衛生研究所の雨漏りが報道されました。感染拡大のとりでの一つである本施設が老朽化による雨漏りで、検査の制度が低下したり誤りが生じてはなりません。これらの悪影響を速やかに排除することは急務であると思いますが、認識と御見解を伺います。
数年後には移転新築を行う予定にはなっておりますが、整備の優先度はこれまでとは全く異なっていることから、それこそ機能を充実させ、さらに前倒しで整備を進める必要があると考えます。移転先用地の状況も含め、所見を伺います。
先日、泉消防署におけるNBC災害対応訓練がSNSに公開されました。日々の厳しい訓練がいざというときに力を発揮します。これまで新型コロナウイルス感染症患者への対応にも当たっておられますが、対応状況と課題及び今後の取組について伺います。
健康的な生活習慣によって疾病の発症を防ぐ一次予防とともに重症化予防にも重点を置く、乳幼児から高齢者まであらゆる世代の市民を対象とした健康づくり計画の第二期いきいき市民健康プランは、平成二十三年度から平成三十四年度を期間としております。今般の外出自粛や生活様式の変化などの様々な事態を受け、一層その重要性が増してきたと考えますが、今後の健康づくりに関する取組において、今回の影響を踏まえた対応が求められるのではないでしょうか、伺います。
休業等に伴う収入減で住居を失うおそれのある方に対する住居確保給付金を支給する、生活困窮者自立支援事業費の追加が提案されております。この事業の概要、追加に当たっての理由と対象数について伺います。
市民局に関連して伺います。
補正予算第三号においては、エル・パークや市民会館等にサーマルカメラを導入するとあります。この管理運営は誰が行うのでしょうか。また、発熱者を発見した場合、誰にどのような基準で対応させようとしているのでしょうか。今後、市民センター等に配置する予定はあるか伺います。
国民一人に十万円の特別定額給付金の発送が進められております。五十二万二千世帯を数える全世帯への一連の作業は、時間外、休日を通した苦労があったと聞き及んでおります。一方、他自治体との規模が異なるため一概に比較はできませんが、発送作業や対応が遅いなどとの批判もありました。その原因を説明してください。現時点での発送状況と課題、今後の振込等の見込みについて伺います。
子供未来局に関連して伺います。
今回、認可外保育施設事業費が計上されました。幼児教育の国への働きかけによる無償化が今回の事態にも寄与したことを自負するところであります。認可外保育所への手当ての必要性に、本市が独自支援で対応したことを評価するものです。これによって子育て世代への応援がひとしく行われることになりますが、改めて本事業の概要と狙い、対象者数について伺います。
子供の見守り機会の減少に対応する子ども食堂を運営する団体への助成が追加されました。この事業の概要と狙い、課題について伺います。
これまで様々なボランティアの方々の協力によってこの取組が支えられてきましたが、フードバンクの協力体制のさらなる充実が必要なところもあると聞きます。市内の飲食業種の中には、時間外での食品提供を考えている方もいることから、そのネットワーク化への支援も今後考えるべきと思いますが、伺います。
コロナ禍によって休止されていた仙台市独自の二歳六か月児歯科健診を含む幼児健康診査が再開することになりました。このような状況だからこそ、子供たちの心身の発育を支える本事業が進められることを評価します。この際、仙台市医師会と仙台歯科医師会の多大な御尽力で実現されるに至ったと聞きます。今回、集団健診から個別健診に切り替えるものもありますので、検査の質を保ちながらどのように進めていこうとしているのか伺います。
次に、経済局に関連して伺います。
東北財務局によれば、東北の四月から六月期の法人企業の景況感が過去最悪であると公表されました。また、東北経済産業局によれば、四月における百貨店の販売額動向は過去最大の下落幅で、鉱工業生産動向も低下したとあります。各産業共に受ける影響は厳しいものがあります。当局による本市経済の状況認識はいかがでしょうか。
また、国は、広範多岐にわたる経済対策を打ち出しておりますが、情勢の混乱等によって十分に活用され切っていないとの声もあります。あわせてその評価も伺います。
本市の連続的な経済刺激対策への取組を評価します。まず、これまで打ち出した第二弾までの緊急経済対策の評価はいかがだったでしょうか。特に、地域産業協力金の成果と現時点における地域産業支援金の成果についても伺います。
また、今回、第三弾として展開する地域産業支援金の対象拡大の概要について伺います。経済対策については、この周知を十分に図るとともに、期間についても余裕を持って設定するべきであると思いますが、伺います。
地域消費を喚起する割増商品券発行事業の狙いと想定する商店街の対象数について伺います。特に、まちづくりの一翼を担い、子供たちや高齢者の安全・安心にも貢献している地元商店街への支援の狙いについて賛同するものでありますが、一方で、商店街に属していない地元事業者が対象外となっていることへの不公平感もあり、仙台市による直接の発行などを求める声もあります。これらを今後どのように考えていくのでしょうか、伺います。
国が支援する中小企業の新たなビジネススタイルへの転換のための自己負担金を補助する地域産業応援金事業の狙いと対象数について伺います。また、これを遡及できるようにすべきと思いますが、併せて伺います。
昨年定めた仙台市経済成長戦略二〇二三では、七つの重点プロジェクト項目を設定し、二〇二三年度までに市内の黒字企業が五〇%を超えることを目標にしておりましたが、今般の感染症で中小企業が大打撃を受けております。これらをどのように捉えているのでしょうか。本戦略の見直し、計画の修正について伺います。
次に、文化観光局に関連して伺います。
経済局と同じく、昨年定めた交流人口拡大のための仙台市交流人口ビジネス活性化戦略では、一千本の体験プログラム創出などユニークな取組が掲げられておりますが、昨年、既に交流人口六百万人の目標は達成されており、新たな目標設定が必要となっておりました。一方で、今般の事態によって宿泊者数が激しく減少し、今後も交流人口の大幅な増加を期待することは厳しく、戦略自体の見直しが必要となっております。これらをどのように捉え、今後どのように進めていこうと考えているのか伺います。
このような中、四月に東京から赴任した文化観光局長に、国とのパイプ、情報の優越を含め、大いに期待するものであります。観光面での仙台のポテンシャルや現下の状況に対する認識、戦略についての御見解を伺います。
宿泊促進キャンペーンの第一次策は、市内全域ではなく、秋保、作並地域の宿泊施設に限定してあります。関連業種の不公平感だけでなく、被害格差が広がるのではないか。また、三千円の定額助成では、低廉な宿の利用に偏る可能性があるのではないでしょうか。市全域を対象とし、宿泊料に応じた助成額を設定すべきではないでしょうか。御見解を問います。
さらに、予定されている第二次策の絵姿が想像できません。今後の構想について御説明を求めます。
企業内会議、研修等への助成については、どのようなニーズと見込みによって限定して事業化したのか、示していただきたいと思います。
文化及びスポーツ関連の公共施設にサーマルカメラを導入するほか、仙台市市民文化事業団の助成事業費を計上してありますが、それぞれの狙いと期待する効果について伺います。
報道によると、イベントを延期、中止していた市内のライブハウスが活動再開に向けて自主的にガイドラインをまとめて知事に報告したとありますが、公共施設だけではなく、むしろ窮状にありながらも必死に道を開こうとする、このような民間事業者への供与などを事業化すべきではなかったのでしょうか、伺います。
都市整備局に関連して伺います。
第六十七号議案令和二年度仙台市都市改造事業特別会計補正予算(第一号)においては、蒲生北部地区事業費が追加されておりますが、その内訳について伺います。また、復興事業費を充当している本事業全体の進捗状況と課題について伺います。
本市では、震災を挟んだこの十年間で、地下鉄東西線が開業し、東部の区画整理事業が進みました。地下鉄や鉄道駅沿線での人口増は明らかであり、本市が目指したコンパクトシティーの一定の成果が現れていると考えます。
しかしながら、それ以外の地域における高齢化や人口減少問題が顕在化しており、郊外地区の在り方もいまだ判然としておりません。バスの減便などによる地域交通の問題もクローズアップされております。新たな地域交通の方策に着手はしているものの、交通局バス事業においては、年約四十億円もの巨額な補助金が支給されており、コロナ禍も重なり、このままの取組では悪化の一途をたどるのではないかと心配になっております。
現在、都市計画マスタープランの見直しが進められておりますが、先日の都市計画協議会で示された資料を見る限りにおいては、現計画と大きな差異がないように感じられ、同様の意見も複数ありました。
今後は、駅東地区の開発や東北放射光施設の整備、都心再構築プロジェクトや東北学院大学の移転、あすと長町地区の開発、泉区役所の建て替えなど、数多くのプロジェクトが予定されております。来るべき十年間はこれまでとどのように変わるのか、そして変えていくおつもりなのか。懸案となっているコロナ禍への対応も含め、担当副市長の御所見を伺います。新たなこの町の姿をしっかりと議論するため、協議の頻度を増したほうがよいとも考えますが、いかがでしょうか。
コロナ禍による交通局の経営状況と在宅勤務やテレワークの進展等による今後の見通し、そして、このような大きな変化に直面した公共交通の将来の在り方について、交通事業管理者の御見解を伺います。
建設局と危機管理室に関連して伺います。
第七十七号議案工事請負契約の締結に関する件では、南小泉茂庭線の宮沢橋工区の橋梁工事が上程されております。この都市計画道路の完成に大きく近づく事業においては、進捗状況と課題が非常に注目されております。今後の見通しについて伺います。これから梅雨の時期を迎えます。昨今は豪雨災害が激甚、頻発化しております。工事に伴う周辺の安全対策や橋梁本体の強度、耐久性についても併せ伺います。
近年、日本各地で豪雨災害が頻発しております。昨年の東日本台風は東北地方に甚大な影響を及ぼし、市内においても家屋の浸水など大きな被害が発生しました。雨水排水施設の計画水準を超える異常降雨とはいえ、田子や井土浦川排水機場などの施設の浸水や運転の遅れなど、浸水被害に対する対応では課題があり、これまで指摘してまいりました。その後、被災した排水施設等における復旧と改善は進められているのか伺います。
国の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策でも、本市を流れる河川の氾濫対策や下水道による雨水排水施設の整備等が行われております。しかし、近年の気象状況から市民の安全・安心を守るためのさらなる対策が必要であります。これまで、震災後の雨水問題の発生を受け、総合的な雨水対策について市や国や水防協議会等に訴えてまいりました。現在では、仙台東地区における農業用排水の水管理システムの整備が着手されるに至りました。これらも含め、本市は現在浸水対策についてどのように取り組んでいるのか、課題も含め伺います。
六月十二日には宮城県沖地震から四十二年となり、十四日には岩手・宮城内陸地震から十二年を迎えました。千島海溝型地震への警戒も怠ってはなりません。また、いよいよ梅雨に入りました。地震や豪雨災害が感染症とともに発生する事態を想定した準備が、国の対応方針に基づき、順次進められてはおります。しかし、新型コロナウイルス感染症のおそれがある状況で開設する可能性のある避難所と自主防災組織への感染防止のための資機材の配分と交付が十分ではないと聞いております。今のうちに必要な準備を進めなければならないと思いますが、御認識を伺います。
環境局に関連して尋ねます。
環境プランは、総合計画と並ぶ議決計画であります。本市は、昨年度に温暖化対策推進条例を策定するなど、形式的な面は整いつつありますが、いまだ具体の施策が整っていないように感じます。防災環境都市を掲げる杜の都仙台には、他地域を先導するような取組が求められるべきと思いますが、コロナ禍での課題も含め、新たな十年に向けた本市環境行政のポイントと特徴、目指すべき姿について伺います。
ガス局に関連してお尋ねします。
昨年末には仙台市ガス事業民営化計画が策定され、第一回定例会においては、夏前にも事業継続者の公募を開始できるよう、民営化推進委員会を中心に迅速に検討を進めるとの市長答弁がありました。しかしながら、コロナ禍の影響によってこの検討が遅れ、応募を考える企業への影響が生じていると聞き及んでおります。
我が会派は、これまでガス事業の民営化で新たなサービスの提供と向上を進めながら、地元関係事業者とともに地域経済の発展を図ることが必要だと主張してまいりました。市長は今後の民営化にどのように取り組むおつもりなのか伺います。
次に、教育局に関連してお尋ねします。
六月一日から学校が再開されました。約三か月にわたる休業と生活様式の変革に伴い、子供たちの学習の遅れや様々な問題が指摘されております。これらに関する現状認識と、この間進めてきた教育局としての支援策の評価を伺います。
今後も子供たちが元気で学校に通うことができる状態が続くことを切に願うものであります。感染症緊急対策プランでは、フェーズ一、フェーズ二、感染症に強いまちづくりの各段階における施策の概要が掲載されております。この中で、ICT活用教育や補助教材の有効活用を図る取組の実践が令和二年度までの第二波への対応期間に実現できない計画に見えます。第二波の到来時期は想定できるものではない中にあっても、今回の教訓を踏まえ、果断にこれらの取組を進めるべきであります。
教育分野における様々な予算が提示されていますが、学習の遅れを取り戻すための小中学校に学習支援員の配置経費や小中学校学習保障等支援事業における家庭での学習教材の準備費用、学校の電話回線と電話機の増設費用などが計上されておりますが、どのような狙いを持って計上したのでしょうか。また、今後の本市の教育をどのように進めていくおつもりなのか併せて伺います。
平成三十年八月に総理公邸において、災害時に避難所にもなる学校における酷暑対策としてのエアコン導入を求め、翌月に総理から仙台駅前で全国への導入が公表されました。まさにこのような状況への対応に貢献できたことを喜びとするところであります。しかしながら、今なお、小学校への整備が遅れ、夏休みに間に合わない学校が多数あります。一体なぜこの工事が遅れたのか、その原因と理由についてお尋ねします。
整備の遅れを補完するため、ルームエアコンの導入計画が示されておりますが、業務用エアコンに比して十分な学習環境が保たれないのではないかとの懸念も多く聞かれますが、これらへの対応状況についても伺います。
学習進捗の回復と教育現場の教員、児童生徒それぞれの負担軽減、リスク分散の観点から、土日授業を定着すべきであると考えます。また、教職員にあっては、前四週、後ろ十六週の代休取得ができるようにかつて規定を変更してあることからも、現行制度を十分に活用し、現場の負担軽減を図るべきであります。
国の補正予算では多くの財政支援が示されておりますが、本市もこれらのメニューを活用しながら、感染防止に向けた教育環境の整備を進めなければなりません。再開後の学校では、どの学校でも消毒作業が大きな負担となっています。空き教室や特別教室などのスペースも使いながら授業や給食を行っているところもあり、消毒作業を行う場所、頻度は増加し、教職員の大きな負担となっております。当局が示した感染症緊急対策プランでは、教室内の消毒等を行うマンパワーを確保する旨が記載されておりますが、具体的な取組が見えません。文部科学省ではスクール・サポート・スタッフを全体で二万人以上配置する経費も計上したと聞いておりますが、国の財政支援を存分に使っていくべきではないでしょうか。学校での消毒作業に対する教育委員会の御認識とマンパワー確保の具体策について伺います。
いじめに関する和解が成立しました。これによって市の対応に問題がなかったと勘違いしてはなりません。問題をなお真摯に反省し、引き続き健全な児童生徒の育成と教職員の卓越した指導と人格の陶冶を求めるものであります。今般の和解までの経緯といじめ対策の徹底について伺います。
学校で政治的主張を子供たちに押しつけているのではないかとの懸念が保護者からありました。今年度は教科書採択の年度でもありますが、中立性、公平性を担保すべき現場に、業者との癒着や忖度があってはなりません。このことをしっかり申し上げておきます。
教育の振興に関する施策の大綱と第二期教育振興基本計画を一体的に見直し、教育施策の新たな指針となる(仮称)仙台市教育プランを作成すると聞いております。前市長が定めた現在の教育の大綱はいじめ自死等の防止に特化したつくりになっており、本市としてどのような理念と理想の下に学校教育や生涯学習が進められるべきかという全体像が欠けていると指摘しました。現大綱に対する評価を伺います。
教育の大綱には、将来の町の担い手である子供たちをどのように育んでいくかうたうものであります。特に教育基本法第十条にある国、地方公共団体が家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずることは、このコロナ禍を経て、なお大切に見直されるべき要素ではありませんでしょうか。審議中の総合計画と密接に連携するものと考えますが、プランでこれをどう含ませ、どのようなものにしようと考えているのか、市長と教育長の課題認識も併せ伺います。
まちづくり政策局に関連して尋ねます。
感染拡大防止の行動が求められる中で、日常生活の維持や企業活動の継続のため、オンライン手続やウェブ会議、モバイルワークなど、新しい働き方や関係性が構築され始めています。新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波への対応、また昨今の世界的な技術革新の進展によって、一般社会におけるICTの普及と定着が加速化することが十分に考えられます。
仙台市ICT利活用方針では、市長部局のほか、教育局や公営企業等を含む全庁におけるICTの具体的な利活用について示されていますが、今般明らかになったニーズも加えた、選ばれる都市の魅力の一つとしての大きな視点でのICT利活用に関するビジョンを描く一つのタイミングと考えます。御見解を伺います。
去る六月九日、第七回総合計画審議会が開催されました。その中で、総合計画の中間案素案が示されております。人口減少、少子高齢化の加速への対応といったこれまでの論点に加え、今後のコロナ禍の影響を想定した議論が進められているところであります。同計画の趣旨が、これからの時代において行政たる仙台市はもとより市民一人一人が力を合わせて共に歩みを進めていくための理念と方向性を示すものである、このことに立ち返ったときに、策定に当たっては、今般のコロナ禍を機に変容しつつある人々の価値観など、時代の変化を的確に捉えながら、共に持続可能な社会をつくっていくという思いを幅広い市民の方々が共有、そして共感できるものであることが重要であります。
今般のコロナ禍の影響やその対応の広域性に鑑みると、今後は仙台市域のみならず仙台都市圏、さらには東北圏内の発展といった視点でのまちづくりが一層重要になるとともに、サプライチェーンの国内回帰や地産地消といった経済の流れや人々の地方回帰意識の高まりといった観点からの議論もさらに必要になると考えます。御見解について伺います。
最後になります。
人権問題であり国家主権の侵害でもある拉致の被害者、横田めぐみさんの父、横田滋氏の御逝去に、深い哀悼の念を表するものであります。娘さんに会えずに御逝去なされた御無念は、察するに余りあるところであります。
拉致の暴挙は決して許してはなりません。解決と再発防止のため、国民、市民が一致して救出を訴え活動することが大切であります。本市のこれまでの取組に感謝をするところでありますが、なお一層の御尽力を求めるものであります。
以上で代表質疑を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)

 

≪答弁及び再質問等は以下をご参照ください≫

http://www.city.sendai.miyagi.dbsr.jp/index.php/6777372?Template=view&VoiceType=all&DocumentID=3078

http://www.sendai-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=4915