令和2年第1回臨時会 5月1日 本会議でコロナ禍補正予算への自民党を代表しての質疑

◯三十一番(菊地崇良)自由民主党の菊地崇良です。新型コロナウイルス感染症対策に関連する仙台市一般会計、特別会計補正予算案と提案条例等に関連し、会派として質疑してまいります。
中国武漢市で発生した新型コロナウイルスの世界的な感染の拡大は、我が国にも重大な影響を及ぼしており、国においては新型コロナウイルス感染症の拡大防止策とともに、国民生活を守るための緊急経済対策などが進められております。特に、最前線において感染症と闘う医療、介護等の従事者の皆様方の御尽力に、心から敬意と感謝を申し上げます。
本日で、天皇陛下が御即位されて一年がたち、慶賀の至りでございます。陛下におかれましては、感染症の拡大を人類にとって大きな試練とされ、私たち皆が心を一つにしてこれを乗り切ることを心から願われておられます。まさに、この国難を乗り切るためには、国と地方自治体、行政と市民が危機感を共有し、一体となってそれぞれの取組を確実に進めなければなりません。
昨日、事業規模百十七兆円、過去最大の補正予算が成立いたしました。本日から持続化給付金、無利子・無担保融資の受付、税金や社会保険料の納付の猶予が開始されます。速やかな手続を期待するものであります。しかしながら、相変わらずの批判のための批判が展開され、国会における本質的審議が進められてこなかった経緯に憤りを感じるものであります。
去る四月二十一日、我が会派として、国の緊急事態宣言の対象地域の拡大を受け、市長に対し、感染拡大の防止と市民生活及び経済の維持に関する当面の緊急要望を兼ねて、提言を提出したところであります。
事態の収束時期が見えない中、長期にわたる覚悟をもって、年齢を問わず感染拡大を阻止し、全ての人々の生命と経済活動をはじめとする様々な市民生活を真剣かつ堅固に守るためは、喫緊の対応はもとより、中長期的な施策の展開が急務であると認識しているところであります。
刻一刻と変化する状況に対応していくため、二元代表制の一翼を担う責任ある会派として、自由民主党の地方組織と連携し、引き続き国に対する働きかけを強力に継続するとともに、現在と将来に大きな不安を抱く市民の代弁者として、市による迅速かつ強力な各種の施策について求めるため、以下、順次尋ねてまいります。
まず初めに、市長の御認識についてお尋ねします。
非常事態宣言が延長される可能性が濃厚となりました。市民は、不安で焦燥感にさいなまれております。仙台市においては、市民の皆様の献身的な協力と関係局、医療機関等の御尽力によって、感染症患者の発生が辛うじて抑制されているものの、油断して気を緩めれば爆発的な感染拡大につながる、不安定で緊張した状況に変わりはありません。
また、市民生活と経済への影響は多大であり、焦燥感と絶望感を持つ方々も数知れず、一刻を争うスピード感ある対応が求められております。初めに、最高責任者としての市長の現状認識とお覚悟について伺います。
次に、新型コロナウイルス感染症に対応する医療体制等について尋ねてまいります。
まず、PCR検査です。
新たに導入したドライブスルー方式による検体採取も含め、本市のPCR検査実施件数は、累計で一千四百六十五件と聞きます。これまで、感染症対策に日夜当たり続けている関係者諸氏の尽力に敬意を表します。
国の検査基準は、陽性患者を極力正確に把握し、隔離と重症化防止策につなげる目的の下、限られたPCR検査を的確に実施するという姿勢であり、本市においても検査体制の崩壊を回避するため、限られた医療や検査のための資源を必要の高い方に振り向けるべく取り組んできたことについて、一定の理解を示すものではあります。
その一方で、検査数の拡大が感染の拡大防止につながるとの専門家の御指摘もあり、市民の皆様から検査を希望する方への検査を多く実施すべきという意見もあるところでございます。
本市は、私たち会派の要望も踏まえ、検査能力の増強に努め、現在、一日八十件までの検査可能な状態となっておりますが、最近の検査実施数は、陰性確認も含め、多いときで六十件台、平均にして四十件台で推移しております。
医療、検査資源に限界があること、PCR検査で陰性と判定されても、その後発症し、陽性となることもあり、陰性だからといって自由な行動が保証されていないことを、しっかりと市民の皆様に御理解いただく説明を重ねた上で、感染の拡大防止と市民の不安の解消のため、検査能力を拡大し、最大限生かすことが必要と考えますが、伺います。
医療資器材の調達と診断受診体制についてお尋ねします。
医療崩壊を招かないためにも、医療従事者の感染防止は重要であります。今般の新型コロナウイルス感染症の診察に当たる医療機関に対し、N九五マスク、ガウン等の防護具を緊急調達して配布することは火急の措置であると同意するものです。
現在、多くのかかりつけ医などが、発熱患者の診察に当たっておられますが、災害時医療対策事業費で調達する防護具の配布先に、これらかかりつけ医などの皆様の医療スタッフを対象としているのか伺います。
これまで我が会派は、これに加えて、発熱外来の設置を訴えてまいりました。市民がコールセンターや帰国者・接触者相談センターに相談し、かかりつけ医などを受診するように案内されても、かかりつけ医がいない方の近所における医療機関から診察を断られるケースがあると聞いておるからであります。院内感染のリスク回避の理由から、結果として必要な医療を受けられないということがあってはなりません。これまでの御当局の答弁では、仙台市医師会と協議を進めているとありましたが、協議の進捗状況と現在の課題について伺います。
今後の急激な感染の拡大、第二波などの到来など、いかなる事態の変化にも対応できるよう、医師会等の関係機関との間で発熱外来設置の準備を急ぐ必要があると思いますが、御認識を伺います。
次に、陽性患者が療養する宿泊施設についてです。
検査で陽性となり、自宅療養されていた患者の症状が急変し、死亡した事例が相次いで報道されました。国も、陽性患者は、入院または宿泊施設での療養を基本とするよう方針を改めたところです。
県内の新型コロナウイルス感染症患者の受入れ可能病床数は、感染症指定医療機関と入院協力医療機関を合わせ七十八床でありますが、四月中旬、本市で入院待ちの状態が生じました。重症者、中等症者、軽症者を適切にトリアージすることが重要であり、また、軽症者を受け入れる宿泊施設の確保と適切な運営が望まれるものであります。県は、既に二百室の宿泊療養施設を確保し運営しておりますが、この宿泊借り上げ等に要する費用の四分の一を本市が負担する理由を示していただきたいと思います。
このところ、陽性患者が確認されていない日もありますが、まだまだ予断を許さない状況であり、現行の二百室で不足する万一の事態に備え、療養施設確保のための先行的な準備を進めておく必要があります。基本的には県が実施主体となるものの、県内人口の約半数を占める本市が主体的に取り組むべきと考えますが、御見解を伺います。
次に、経済対策について尋ねます。
今回、地域産業支援金等事業及び地域産業金融支援事業等の追加などによって、本市経済を支える中小企業に対し、独自政策を含めた経済施策を打ち出したことに一定の評価をいたします。また、日々、支援相談に当たる職員、諸官の業務執行にも感謝を申し上げます。
このたび、本市支援の第二弾として地域産業支援金が計画されましたが、前年度売上げの五〇%要件は厳し過ぎるとのお声も多くあります。現に、石巻においては、売上げ減少幅を二〇%以上としており、本市の中小企業等の苦境に鑑みれば、五〇%以上の減少では支援が不十分であるとの指摘が聞かれますが、御見解を問います。
また、本市の業種、業態に応じた、よりきめ細やかなさらなる独自の支援策が求められると考えますが、今後の御予定について伺います。
経済における各種支援策の対象は大変多く、これをスピード感を持って進めることが肝要であります。総合的な窓口の設置拡充を求めるものであります。
国は、感染症の収束を見据え、反転攻勢の指針を言及しました。本市でも、経済回復振興策について先行的に準備すべきですが、課題について伺います。
三密を回避するために協力する事業者への事業は編成されておりますが、ステイホームの合い言葉の下、自宅で協力している市民への配慮も必要です。例えば、公共料金である電気、ガス、水道の各月の支払いなど、真に支払いに困っている市民や事業者に対する対応の可能性について伺います。電力事業者への働きかけもすべきと思います。
次に、教育です。
学校再開での休業延長の判断は、この前はあまりにも直前でありましたが、昨日四月三十日に、五月末までの休業延長について示されたことに一定の評価をします。児童生徒、関係者、そして企業を含む方々の物心両面の準備を考えれば、適切な時期だったと考えます。
このような事態であるからこそ、市民、保護者に十分な心構えを持っていただく、適時適切な説明と発信が必要です。現状分析と今後の見通し、本市の教育に関する方向性を伺います。
今回、臨時登校を行うことが示されていますが、その基準が不明確です。明確にお示しください。
学校現場、統制すべきものと統制しないもの、しっかりと整理をしていけるのか、お示しください。
休業延長に当たって考慮すべきは、家庭の健全な育成と学習支援です。今回、ICTの活用が不可欠であり、学校におけるパソコン端末が予算化されていますが、十月から順次整備されるスケジュールと聞きます。
一方、学校によっては既にNHKのテレビを視聴させたり、YouTubeや様々なソースを活用した工夫が準備されております。本来であれば、委員会として速やかに教育内容を整え、各校横並びで一斉に実施するようにすべきです。
今回、パソコンを持っていない御家庭の緊急調査をし、その分の緊急調達によって、速やかにオンライン教育ができるようにすべきではなかったのでしょうか、伺います。
授業時数を確保するためには、夏休みの使用が不可欠です。エアコンの設置をこれまでに完了すべきですが、伺います。
都道府県ごとの対応のばらつきによって、子供の教育の格差が生じてはいけません。文科省に対して指導要領の一部変更等を求めることが必要と思いますが、所見を伺います。
財政です。
今回の補正予算については、市債管理基金から借入れまで東日本大震災に劣らぬ規模でありますが、残念ながら速やかにこの対策をもって終了するとは思えません。さらなる努力と工夫が必要であり、最低限上半期までの抜本的な業務の見直しが求められると思います。伺います。
様々な基金の取崩し、借用が必要となりますが、現状認識を伺います。
しかしながら、自治体の財政力には限界があります。国に対して新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の大幅な増額や特別交付金の増額を求めるなど、必要な予算要望を積極的に行わなければなりません。我が会派としても、国とのパイプをフルに活用し協力していくつもりでありますが、市として現在どのような検討を行っているのか、お示しください。
中長期的な見通しに基づく施策展開についてお尋ねします。
有事においても、目先の対応だけにとらわれてはなりません。中長期的な見通しを持った方針の策定の下に施策を展開していくことが不可欠であります。現在、その視点が欠けていると懸念するところでありますが、いかがですか、御見解を伺います。
平時を前提とした現行の市役所体制での対応には限界があります。今般、総務局に新型コロナウイルス感染症対策調整担当局長らを配置しましたが、業務集中部署への増員、拡充や中長期に係る構想の策定を並行して担う、さらなる機能の大胆な組織強化が必要であると思います。御所見を伺います。
市民の不安を払拭するための感染患者の発生状況及び現況の発信、また、自粛等の趣旨をしっかりと市民の方に理解をしていただくための協力の啓発、そして、各種支援策の周知のための分かりやすい広報の必要が増しております。情報弱者にも配慮した、今後の改善を強化すべきであります。お取組について伺います。
このような中、四月二十九日の地元新聞のあるページに、本市各局と企業局の広告が掲載されました。内容は、ほとんど平常時の年度事業の概要に関する、のんきで平板なものでありました。財政需要が逼迫し、感染防止のための喫緊の課題に真剣に向き合っている中で、非常事態における国、自治体、行政、市民を挙げて取り組む当事者としての意識が欠如しており、掲載した意味と目的が全く理解できませんでした。本市が一体となって国難に当たることができるのか、不安になった気持ちを表明させていただきます。これに関する御見解を伺います。
最後になります。引き続きの市民の御協力と今般編成した仙台市最大規模の補正予算案の速やかな成立と執行によって、本市及び全国の感染防止策が充実し、早期に事態が鎮静することと、安全な市民生活が保たれることを切に願い、第一問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)

 

≪答弁及び再質問等は以下をご参照ください≫

http://www.city.sendai.miyagi.dbsr.jp/index.php/6777372?Template=view&VoiceType=all&DocumentID=3279

http://www.sendai-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=4882