令和7年第2回定例会 代表質疑

■ 今回の論点

今後10年で約3,900億円の財源不足が見込まれる中、将来負担を増やす音楽ホール複合施設などの大型公共事業が進められている。

市民向け要旨

仙台市の中期財政見通しで、令和8年度から10年間に 約3,891億円の財源不足 が見込まれている点を重く受け止めるべきだと指摘しました。

高齢化による扶助費増、職員人件費の増加、老朽インフラ更新が同時進行する一方で、市庁舎建替えや音楽ホールなど、 将来も維持費が発生し続ける大型事業 が積み上がっています。

今必要なのは「新たに造ること」ではなく、 将来世代まで支え切れるかという数字に基づく判断 であり、事業の見直しも含めた冷静な市政運営が不可欠だと訴えました。


質疑概要(予算・計数を織り込んだ解説)

郡市政8年間を総括し、仙台市が直面する最大の課題として「財政の持続可能性」を挙げました。市の最新の中期財政見通しでは、令和8年度以降10年間で 累計約3,891億円の財源不足 が見込まれており、これは単年度平均で約390億円規模の不足に相当します。

この背景には、以下の現実があります。

  • 高齢化に伴う扶助費の増加
  • 市職員数が約1万4,900人規模に拡大し、 人件費が年間約1,270億円 に達していること
  • 高度成長期に整備された道路・上下水道・学校などのインフラ更新需要の急増

実際、市内では 道路陥没が4日に1回発生 しており、現在の更新ペースでは 全更新完了まで約50年かかる との認識も示されています。

こうした厳しい財政環境の中で、市庁舎や泉区役所の建替え、音楽ホール・中心部震災メモリアル拠点複合施設、市場整備など、 数百億円規模と見込まれる投資的経費 が同時並行で計画されています。これらの事業は、市税収入の直接的増加にはつながりにくく、完成後も維持管理費という形で将来世代の負担となる点が共通しています。

特に音楽ホール・震災メモリアル複合施設については、経済波及効果や維持管理費について 単年度・10年累計での具体的数値が未提示 である点を問題視。加えて、県が令和10年開館予定の新県民会館を整備中であることから、施設機能の重複や需要分散の懸念も指摘しました。物価高騰が続く中、建設費が当初見込みを上振れするリスクも否定できず、「一度立ち止まり、実施・延期・縮小を含めて再検討すべき段階にある」と訴えました。

また、市民負担の面でも、以下の負担増が既に進行しており、今後さらに加速する可能性があります。

  • 敬老乗車証の自己負担増
  • 宿泊税導入
  • 市民協働事業費の 一律5%削減

「今を飾る箱物」を優先することで、将来の市民サービス低下や負担増を招いてはならないと警告しました。

一貫して強調したのは、 理念やイメージではなく、数字と責任に基づく市政判断 の必要性です。人口減少社会に入った仙台市に求められるのは、成長を前提とした都市経営から、 持続可能性を最優先する都市経営への転換 であり、その覚悟が今、問われています。